物件分析

2024年8月30日

不動産AIが斬る!この物件どう思う?熱海駅 徒歩13分 1R 315万円

物件概要書

所在地静岡県熱海市桜木町
アクセスJR東海 東海道本線 熱海駅 徒歩13分
販売価格315万円
想定家賃収入年間600,000円(50,000円/月)
表面利回り19%
建物構造SRC造
築年数1970年12月(築53年)
都市計画区域市街化区域 商業地域
現況空室
専有面積31.72㎡
間取り1R
階数3階/7階建て
駐車場あり
管理費(月額)13,650円
修繕積立金(月額)8,930円
温泉料1,500円
給湯料2,200円
水道料5,443円
固定資産税22,400円
別荘税31,600円

熱海駅から徒歩約13分という立地は、観光地としても名高い熱海市ならではの魅力があります。物件は、SRC造の8階建て5階部分にある「31.72㎡1Rタイプ」です。

築年数は53年と古いですが、オーナーが約300万円をかけてリフォームを施しており、ダウンライトや壁掛けTV、温水洗浄便座など、豪華な内装が特徴です。また、駐車場があり、別荘としても利用できる利便性があります。

販売価格は315万円と比較的手頃であり、投資初心者にも適した物件です。

利回り高く、温泉付きだが、収益性は悪い

この物件は、温泉が引かれている点が魅力的ですが、その分、管理費が月額13,650円と高額に設定されています。また、修繕積立金が8,930円、さらに温泉料が1,500円、給湯料が2,200円、水道料が5,443円と、合計で月額31,723円もの維持費がかかります。

想定される家賃収入が月額50,000円であることを考えると、これらの費用を差し引いた実質的な手取り家賃は月額18,277円となり、家賃収入の約63%が維持費に消えてしまう計算です。

家賃 50,000円 ー 管理費等 31,723円 = 実質家賃 18,277円

そのため、表面利回り19%という数字も、実際の手取り収益を考慮すると、実質利回りは約7%となりかなり悪化することが予想されます。

実質利回り計算実質家賃 18,277円 × 12ヶ月 = 219,324円
実質利回り = (年間手取り家賃収入 ÷ 物件価格) × 100
実質利回り = (219,324円 ÷ 3,150,000円) × 100 = 6.96%

そのため、賃貸収益を目的とした投資物件としては「収益性が低い」と判断できます。温泉を含むリゾート地としての特性を活かし、実際の収支シミュレーションを通じて、さらに詳しい分析が必要です。

建物が「旧耐震」であることも気をつけるべき点のひとつでしょう。今後、耐震対策費用などがかかってくる可能性があります。

熱海市エリアの特徴や魅力3選

熱海市は、豊かな自然環境、歴史的な文化、便利な交通アクセスが魅力のエリアです。ここでは、特に注目すべき3つの特徴を紹介します。

豊富な自然環境

熱海市は、海と山に囲まれた豊かな自然環境が魅力で、四季折々の美しい風景を楽しめる場所です。

春には桜、夏には青い海、秋には紅葉、冬には温泉と、季節ごとに異なる魅力があり、特に「熱海サンビーチ」や「長浜海水浴場」などのビーチでは、夏に多くの家族連れが海水浴を楽しみます。

また、「熱海梅園」や「湯河原梅林」などの自然公園では、ハイキングや散策が楽しめ、日常の忙しさを忘れて、ゆったりとした生活を楽しめます。温泉も豊富で、自然の中で贅沢なひとときを過ごせる点が、熱海市の大きな魅力です。

歴史と文化の魅力

熱海市は、古くから温泉地として栄え、その文化が現在でも色濃く残っています。代表的な観光スポットには「熱海城」があり、1959年に観光目的で建てられた城からは熱海湾を一望でき、博物館では鎧や刀の展示が楽しめます。

「来宮神社」には樹齢2000年を超える大楠の御神木があり、神秘的な雰囲気が魅力です。また、熱海市内には伝統的な旅館が多く、古くからの温泉文化を体験できる点も魅力です。

「大江戸温泉物語 熱海温泉ホテル」は、美しい庭園と格式ある日本建築が魅力のホテルです。また、熱海市では年中行事や祭りが多く、地元の文化を楽しみながら生活できる点も魅力です。

便利な交通アクセス

熱海市は、東京から新幹線で約40〜50分という優れたアクセスを誇り、投資家にとっても魅力的なエリアです。東海道本線や伊東線といった鉄道網が充実しており、都心や静岡県内、伊豆半島へのアクセスも便利です。

車を利用する場合でも、東名高速道路や国道135号線を利用すれば、熱海市内へのアクセスは快適です。交通アクセスの良さが熱海市の不動産価値を高め、投資物件としての魅力をさらに強化しています。

熱海市エリアの賃貸相場  

条件詳細
所在地熱海駅 徒歩13分
専有面積約32㎡
築年数52年
階数5階
間取り1R

上記の条件でシミュレーションを行った結果、賃料相場は42,296円から65,689円の範囲となり、中央値は53,992円でした。適正な賃料相場は約53,000円と算出されます。

賃料相場(範囲)42,296円〜65,689円
賃料相場(中央値)53,992円
適正賃料相場約53,000円

今回の物件の想定家賃収入は月額50,000円であり、適正相場と比較すると3,000円ほど安い設定です。

月額の管理費等が大きくのしかかっているため、その分を家賃に転嫁したいところですが、適正相場からみても、3,000円〜6,000円程度しか上積みすることはできず、大幅な収支改善とはならないでしょう。

収支シミュレーション

ここでは収支計算書を元に、物件の積算価格や融資期間によるシミュレーションを行います。投資のリスクとリターンを正確に把握し、より安全な投資判断を行うための参考にしてください。

シミュレーション①金利2%、融資期間10年の場合

金利を2%で設定して、融資期間10年で借り入れを行ったケースのシミュレーションを見てみましょう。

融資期間を10年に設定できれば、毎月約18,000円(年間約22万円)のキャッシュフローが貯まっていくため、安定した賃貸経営が実現できます。物件価格が315万円でリーズナブルなため、自己資金もほとんど必要ありません。

しかし、築52年で耐用年数を過ぎているため、税法上の減価償却費が9年間しか計上できません。耐用年数経過後は、課税所得が増えて税負担が大きくなります。そのため、キャッシュフローが厳しくなります。

また、融資条件も厳しいものになるでしょう。10年よりも融資期間が短くなったり、融資自体が難しくなることもあります。その結果、月々の返済額が増えてキャッシュフローに悪影響を与えるリスクが高まります。

さらに、経年劣化による修繕費の増加や市場価値の低下により、売却価格や賃貸需要が下がるリスクも考慮する必要があります。

シミュレーション②管理費等を家賃から天引きした場合

管理費、修繕積立金、温泉料、給湯料、水道料を家賃から天引きしたシミュレーションの場合、1年目から年間約15万円もの赤字です。そのため、物件運用には手出しが必要となり、想定外のコスト負担が生じる可能性があります。

さらに、家賃が相場よりも3,000円安いことから、収益性がさらに低下し、投資リターンが期待よりも下がるリスクがあります。表面利回りだけではなく、実質利回りを用いたシミュレーションを行うことで、より現実的な収益性を評価できます。

特にリゾートマンションの場合、管理費や修繕積立金に加えて、温泉料などの維持費がかかるケースがあるため、コストをしっかりと考慮することが長期的な運用計画において重要です。

まとめ

区分リゾートマンションは、管理費や修繕積立金、温泉料などの維持費がかさむため、キャッシュフローをプラスに保つことが難しい場合があります。基本的にはおすすめできません。特に築年数の古い物件では、融資条件が厳しくなり、リスク管理が重要です。

このようなリスクを避け、安定した収益を見込める投資を目指すのであれば、ファミリータイプの新築木造アパートを選択肢に入れるのがおすすめです。新築物件であれば、長期入居が期待でき、キャッシュフローの安定性も高くなるため、安全性の高い投資が可能です。

まずは、自分の投資目標に合った物件を慎重に選び、堅実な投資計画を立てていきましょう。

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