【注意】困った入居希望者の特徴9選!断る方法と注意する4つの特徴

この記事でわかること

  • 困った入居者を断る理由
  • 賃貸物件への入居拒否を検討すべき人の特徴
  • 賃貸物件の入居を断る際の注意点

⻑い間空室になっている物件に申し込みが入ると、入居者がどんな人なのかを確認せずついつい入居を承諾してしまいます。しかし、万が一、家賃を滞納するような困った入居者であれば大きな損害となります。さらに1度入居させてしまうと、正当な事由がない限り追い出すのはほぼ不可能です。困った入居者を入居させないためにも「見極め」が大切になります。

そこでこの記事では、困った入居希望者の特徴や断る方法、断る際の注意点を解説します。たとえそこまでの空室期間が長く、やっと入った申込みであっても、決して焦らず、入居者の質をしっかり見極めましょう。

困った入居者を断る主な3つの理由

⻑い間空室になっている物件に入居申し込みが入ると、つい入居を承諾しがちです。しかし、迷惑をかける困った入居者の場合、大きな損害を被る恐れも否めません。ここでは、困った入居者を断る理由について解説します。

理由1. 一度入居したら、簡単には追い出せない

大家さんから入居者を退去させる場合、正当事由が必要になります。賃貸物件などの入居者は「借地借家法」という法律に保護されているからです。

そのため「建物が今にも倒壊しそうな危険な状態」や「家賃を長い期間滞納している」などの事由がないといけません。万が一、立ち退かせるための裁判になっても、正当な事由がないと判断されれば立ち退きが認められない可能性が高くなります。入居の判断は慎重に行いましょう。

理由2. 賃貸経営に大きなダメージがあるから

困った入居者によって、賃貸経営にダメージを与える恐れがあります。大きな原因は、家賃滞納が長引くことによる家賃収入の減少です。

賃料10万円の物件

2024年1月分2024年2月分2024年3月分2024年4月分2024年5月分損失
家賃滞納者10万円滞納滞納滞納滞納40万円

上記の場合、4ヶ月分の賃料が滞納になっています。滞納がなければ、40万円分の家賃収入を得られていたはずなので大きな損失です。

理由3. 他の入居者が退去するから

問題を起こす入居者をそのままにしておけば、他の入居者が退去する恐れがあります。騒音や迷惑行為により生活が苦渋となり、日々の生活に耐えきれなくなるからです。例えば、以下のような事例があります。

  • 夜中に友人を部屋に招いて騒ぐ
  • 音楽を大音量で流す
  • ペットの無断飼育による悪臭トラブル

問題のある入居者によって、真面目に生活している入居者が退去してしまうのは避けたいものです。

賃貸物件への入居拒否を検討すべき人の9つの特徴

ここでは、問題のある入居者かどうかを見極めるために、入居拒否を検討するべき人の特徴を9つ解説します。入居者を見極めるための参考にしてみましょう。 

①無職の人

故意的に仕事をしていない無職の人を入居させると、家賃滞納のリスクが高まります。そもそも無職で収入がない人は、保証会社の審査に通過できないケースが一般的です。しかし、以下のような場合は入居審査に通過するケースがあるため覚えておきましょう。

  • 現在は無職でも就職先が内定している人
  • 本人か保証人が年金受給者の人

さらに無職でも「生活保護」を受給している人の場合は、生活保護費を自治体から大家さんへ直接支払う手続きが可能です。また無職でも、年金で生活されている方や、金融資産を潤沢に所有している方などは、敷金を多めに預かるなどの方法によって検討するのも良いでしょう。

②職業不詳の人

無職の場合、就職前や年金受給者などの理由によっては入居を受け入れても問題ないでしょう。しかし、職業不詳の人は大変危険です。自分から職業不詳と名乗る人はいないかもしれませんが、職業を聞いても「答えない」「詳しく教えてくれない」という人は入居させてはいけません。

過去には、不動産会社の社員が物件の案内時に刃物で襲われた事件などがありました。職業については、名刺を確認したりプロフィールシートに記入してもらうなど、案内前にしっかりと確認するようにしましょう。

③引越しの理由があいまいな人

案内時に引越す理由を聞いてもはっきり答えず、理由をあいまいにする人には注意が必要です。前の住居を家賃を支払えずに追い出されたり、夜逃げしてきたりなどの理由も考えられます。引越し理由を聞いてもお茶を濁す場合は「何か物件を不正に利用されるのではないか」と、不安になるのは当然です。

ただし、理由によっては「離婚」や「DVによる影響」など、言いづらい場合もあるため、気遣いが必要です。引越し理由を確認する際は「入居審査で必要なので確認します」など、前置きしてから確認すると相手も伝えやすくなります。

④コミュニケーションが難しい人

精神疾患がある人を入居させる場合、以下のような不安点を抱く大家さんも多いです。

  • 意思疎通が難しいため災害時などの安全確保が心配
  • パニック発作などで自殺の危険がないか
  • 奇声を発して近隣に迷惑をかけるか心配
  • 火の始末などが心配

そのため、精神疾患がある人の入居を拒否することも少なくありません。ただし、身体などに障害があることを理由に入居などを断る場合「差別的扱い」とみなされます。

障害者差別解消法という法律に触れる可能性があるため、精神疾患がある人を断る場合は、慎重に判断するようにしましょう。

⑤緊急連絡先の書けない方

近年では、保証人なしで保証会社に加入すれば保証人なしで借りられる賃貸物件も増えています。しかし、保証人と保証会社への加入の両方を入居条件にするのが安心です。

保証会社の場合、滞納家賃の支払い上限額が決まっているため、滞納分をすべて回収できない恐れがあるからです。

入居後のリスクを考えると、家族や知り合いなどに連帯保証人がいない人には、慎重な判断が必要です。

⑥初期費用をしつこく値下げしてくる人

賃貸契約で初期費用の値下げ交渉が行われるケースは、十分ありえます。転勤などで急に引越しが必要な人や、少しでも初期費用を抑えたい人がいるからです。しかし、しつこく値下げする人は注意したほうが良いでしょう。

値下げできない旨を説明してもしつこく交渉してくるような人は、入居してからも家賃交渉や設備費用の交換など、費用面で注文してくる可能性があります。

特に威圧的な言動や無理難題な要求をする人は、トラブルを起こす恐れがあると判断するべきです。

⑦入居前に細かな確認が多い人

入居する物件に対して、案内時に細かい指摘をする人には注意しましょう。入居後にも、細かい指摘をしてくる可能性があるからです。例えば、人によっては見逃すような壁紙のちょっとした剥がれや小さな床のキズなどをたびたび言ってきます。

案内時にも、建付けや細かなキズなどに対して「指摘」することが多いため、入居後も細かい指摘があると思った方がよさそうです。

⑧他人による申し込み

未成年や学生など、自分で賃貸契約ができない場合は、代理契約ができます。代理契約が可能な人は以下の通りです。

  • 未成年
  • 成人の学生
  • 無職
  • フリーター
  • 難聴の方

代理契約の場合、代理人が本人の代わりに契約手続きや契約が可能です。しかし、単に面倒だからという理由で代理契約を依頼できないため、注意が必要です。

⑨目的外に使う可能性のある人

契約上の定めに特約がある場合、住居以外の目的で物件の使用はできません。しかし、居住用にもかかわらず、許可なくネイルサロンなどの店舗を営業しているケースなどがあります。

店舗などの事業をする場合、不特定多数の人が出入りするため入居者同士のトラブルになりかねません。万が一、居住目的以外で入居した場合、契約内容と異なるため、契約解除となり即退去させることも可能です。

しかし「あの物件の審査は甘い」という噂が広がると物件のイメージが悪くなるため、契約前のヒアリングや契約内容の細かい説明などをしっかり行いましょう。

賃貸物件の入居を断る際の4つの注意点

入居を拒否する場合は、慎重に断る必要があります。相手の気持ちを逆なでしないような方法で断るようにしましょう。ここでは、入居を断る際の4つの注意点を解説します。

感謝を表したうえで丁寧に断る

入居を断る際には、まず申込みをもらったことに感謝してから断ることが重要です。可能であれば、申込の当日か翌日には断りの連絡を入れるようにしましょう。時間が経過することで、不安な気持ちが大きくなりいざ断られてしまうと怒りに変わる恐れがあります。

時間を置かず、感謝の気持ちを添えて断ることで相手の気持ちが少し和らぐでしょう。

具体的な理由は言わない

入居を断る際に、具体的に断る理由を説明するのはやめましょう。そもそも、大家さんには契約する相手を選ぶ権利があります。そのため、入居させたくないと思えば契約を拒否することもできるのです。

具体的な理由を説明することで、怒らせてしまうケースもあります。もちろん、入居を拒む具体的な説明もいらないため「総合的に判断した結果」などと説明して入居を断りましょう。

頭ごなしに拒否せず「お願い」する

入居を断って相手が不満を表にだすと、頭ごなしに拒否しがちです。できるだけ低姿勢でお願いするイメージで断りましょう。

例)このたびは、お申し込みをいただき誠にありがとうございました。総合的に判断した結果、今回のご入居はお断りさせていただきたく存じます。大変心苦しいのですが、ご理解をよろしくお願いいたします。

書面で通知する

電話やメールでお断りの連絡をする方法がありますが、あまりおすすめしません。電話やメールの場合、詳しい理由を聞きたいと言われるからです。書面での通知なら、細かい内容を説明しなくても、入居を断る旨だけを記載して送れます。

例)入居審査の結果通知

入居審査の結果通知
令和〇年〇月〇日

このたびは、〇〇コーポ101号室へお申込みいただきありがとうございました。総合的に判断した結果、今回のご入居はお断りさせていただきたく存じます。大変心苦しいのですが、ご理解をよろしくお願いいたします。

〇〇市〇〇町〇番〇号
山田 太郎

詳しい理由にはふれず、断る旨を伝えるようにしましょう。

まとめ

空室の期間が長くなると、入居者がどんな人なのかを詳しく確認せずに入居させてしまいがちです。しかし、迷惑をかける困った入居者を1度入居させてしまうと、自分から出ていってもらうことはほぼ不可能と言えます。

申込が入っても焦らず、どんな入居者なのかをしっかり見極めて、トラブルをおこさず家賃を払ってくれるような人を選ぶようにしましょう。

しかし入居を断る際には、慎重さが必要です。ゴミ部屋にされたり、近隣トラブルを起こされる恐れも否めません。

物件の資産価値が下がることもあるため、この記事を参考にして入居を断る方法を実践しましょう。

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