不動産セミナーの選び方!どんな種類があるの?参加前に準備しておくべきこととは?

不動産投資において、セミナーでの「学び」は投資を成功させるためには欠かせません。しかし、セミナーごとに学べる内容が異なるため、自身の知識レベルや目的に合ったセミナー選びが重要となります。

そこで、本記事では不動産セミナーで学べる内容や不動産セミナーの種類、セミナーに参加する前に準備しておくべきことについて解説します。また、セミナーを選ぶ際のポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産セミナーで学べる内容とは?

まずは、不動産セミナーで学べる内容について解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

不動産投資のメリット・デメリット

不動産投資は物件の種類によって異なる特性を持つため、メリットとデメリットが物件により変わります。不動産投資セミナーには様々な種類がありますが、そのどれもが何らかのメリット・デメリットを説明する形になっています。以下に、不動産投資セミナーでよく語られるメリット・デメリットを紹介します。

<メリット>

  • 安定した家賃収入(不労所得)が得られる
  • 生命保険の代わりになる
  • 相続や贈与税対策に有効
  • 所得税の節税効果がある

<デメリット>

  • 空室による収入減のリスク
  • 修繕が必要になるリスク
  • 災害による損害のリスク
  • 家賃の下落リスク

これらのメリット・デメリットのうち、どれが最も重要なものか、はセミナーの主催者のポジションによって様々に変化します。例えば、忙しいサラリーマン向けのセミナーであれば、空室や修繕、災害などの面倒な対応に対応するリスクを強調して、それらがなるべく軽くなる投資方法をおすすめするでしょうし、相続税対策パッケージを持つ会社であれば、その一部として不動産投資を説明するはずです。

セミナーに参加した時に、そのセミナーの内容が何をたくさん話し、「何を話さなかった」のを知ることで、幅広い知識とより高いところからの視点が身につくことでしょう。

不動産投資のお金の流れ

不動産セミナーでは、不動産投資のお金の流れについても学べます。不動産投資で理解しておくべきお金の流れは以下のとおりです。

キャピタルゲイン

物件を売却して得られる収入。たとえば、1000万円で購入した物件が1年後に1100万円で売れれば、100万円のキャピタルゲインが得られる。逆に900万円での売却の場合、100万円のキャピタルロスになる

インカムゲイン

家賃収入。1000万円の物件から毎月6万円(年間72万円)の家賃が得られる場合、この72万円がインカムゲインとなる

不動産投資では、金融機関からの融資を受け、家賃収入で返済するのが一般的なため、自己資金がなくてもはじめられるのが特徴です。融資可能額やローン期間、月々の返済額など、融資に関する情報も学べます。

物件選定の方法

不動産セミナーでは、物件選定の方法も学べます。投資経験の有無や目的によって物件選びのアプローチも変わってきます。

たとえば、不動産投資初心者には、手頃な価格の「区分マンション」の購入が推奨されるケースが多いです。また、自己資金の額や投資における目的、長期的な人生設計を考慮して、自身に最適な物件を選定する知恵をセミナーから得られます。

不動産投資における物件選定は、個々の状況や目的に応じて慎重に実施する必要があり、セミナーではこれらの要素を考慮した具体的なアドバイスが受けられます。

不動産投資セミナーの種類

次に、不動産投資セミナーの種類について解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

物件選びを学べるセミナー

多くのセミナーがこのタイプのセミナーです。基本的には無料で開催されています。

「あなたは何を買うべきか?」を教えてくれる

現在行われている「不動産投資セミナー」の大半がこのタイプのセミナーです。

物件選びは、投資の成果を左右する重要な要素です。セミナーでは初心者はもちろん、経験者にも有益な内容が提供され、投資戦略を再考する機会が与えられます。

また、物件選びの基準として物件の立地や市場価値、そして将来の成長性など、成功に導くための基本的な要素が詳細に説明されることが普通です。一般的な物件の評価方法から、特定の地域の人口動向や経済成長の可能性まで、物件の将来性を具体的に評価する方法について学ぶことを目標としたいところです。

セミナー内容を鵜呑みにしてはいけない

このタイプのセミナーは無料で実施されていることがほとんどです。なぜなら、物件を売りたい不動産会社が最終的に「あなたにはこの物件がおすすめ」と営業につなげたいという思惑のもとにセミナーを開催しているからです。

そのため、投資用ワンルームマンションを販売している会社であれば、一棟ものの投資のことには全く触れないか、もしくは全否定します。逆に一棟ものの住居物件を扱っている会社が、テナント物件のメリットを伝えることはほぼないでしょう。

もちろん、彼らもセミナーにおいて、嘘はつきません。しかし、本当のことをすべて語る、とも限りません。A社のセミナーでは絶賛されていた物件が、B社のセミナーでは「あんなのはダメだ」と言われることも。これから学ぶ立場としては、A社もB社もC社もD社も全部聞いて、賢い投資家になることが大切です。

不動産投資のノウハウが学べるセミナー

人気講師が連続して教える教室形式のセミナーがこれです。有料のものがほとんどですが、一部無料のものもあります。またYoutubeなどで学べる場合もあります。

教科書的に1から10まで教えてくれる

不動産投資のノウハウが学べるセミナーでは、投資の基礎から実践的な戦略まで幅広い知識が提供されています。主には以下のような内容が学べます。

  • 不動産投資の基本的な仕組みやプロセス
  • 投資に関わるお金の流れ、利益の出し方
  • リスクとそれに対する対策
  • 体験談や実際の事例
  • 投資対象別(アパート、ワンルームマンションなど)のメリットとデメリット

全体を体系的に学ぶことで、不動産投資に対する全体的な視野を持ち、自己投資スタイルの見極めをすることに役立つでしょう。

このタイプのセミナーは有料で実施されている場合が多くあります。無料セミナーであっても、有料セミナーへの誘導として実施されています。

セミナーの専門家が「実践」の専門家とは限らない

「私失敗しないので」というセリフで有名な女医のドラマがありますが、その主演女優に自分の手術をしてもらおう、と考える人はいないでしょう。しかし、不動産投資セミナーでは、不動産投資の経験が少ないにも関わらず講師として登壇する人がいます。

  • 実際の投資実績がほんの数件しかない人
  • 大手の不動産会社に勤務していただけで、自分では投資していない人
  • 銀行で融資の担当をしていた人
  • 投資して資産は築いたが、最後に買ったのが5年以上前の人

実際にこういったタイプの人達が講師としてセミナーをしています。彼らには実践の知識や、最新の情報がない場合があります。

投資をして儲けている人と、投資よりもセミナーで儲けている人。あなたが教えを請いたいのはどちらですか?

セミナーの講師によっては話がうまいだけで、実際の投資実績はそれほどない場合があります。

経営や資産形成の考え方を学べるセミナー

不動産投資の究極の目的である資産形成について考え方を学べるセミナーです。不動産投資以外の投資と比べながら、わかりやすく教えてくれます。

長期に渡る不動産形成を理論的に学べる

資産経営や形成の考え方を教えるタイプのセミナーでは、不動産の価値が時間とともにどのように変化し、それをいかに管理し成長させるかが学べます。不動産の価値は地域の状況や経済動向によって変動するため、市場を正確に理解し適切なタイミングで行動することが重要です。

参加者は、不動産のキャピタルゲインを最大化する方法や限られた時間と資金のなかで効率良く資産を運用する戦略について学べます。また、継続的な投資戦略の立案やさまざまな金融商品を利用した資産管理のスキルも身に付けられます。

自分自身のファイナンシャルプランニングの見直し方や、長期に渡るシミュレーションの方法を教えてくれる場合もあり、理知的で合理的な内容となっているのが特徴です。

自分のステージに合ったものでないと時間の無駄に

従来、こういったセミナーは富裕層相手に提供されていました。しかし、不動産投資の裾野が広がるに連れ、多くの人が参加するようになってきています。

しかし、投資する元手があまりない方や、信用力が弱い方にとっては聞いてもすぐに活かせない内容となっている場合がほとんど。

長期的な視野を持つ、という意味では一度ぐらい受けてもいいかもしれませんが、本を読んだり、動画を見る程度でもいいかもしれません。

不動産セミナーに参加する前に準備しておくべきこと

次に、不動産セミナーに参加する前に準備しておくべきことについて解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

不動産投資の目的を明確にする

不動産投資にはさまざまな目的があり、最適な戦略や物件の選び方が異なります。たとえば、将来の収入源としての賃貸経営を目指すか、資産の相続対策として不動産に投資するかなど、目的は多岐にわたります。

目的に応じて税金対策や管理方法も変わるため、セミナーに参加する前には自身が不動産投資する理由を明確になければなりません。明確な目的を持つことで、セミナーで得た情報を効率的に自分の状況に適用ができます。

また、講師からのアドバイスを上手く落とし込めば、より現実的な投資計画を立案できます。

目標のキャッシュフローを決めておく

将来の安定収入を目指す方にとって、キャッシュフローの目標を事前に検討しておくことは、セミナーでの学びを実際の投資計画に結びつけるうえで重要です。

具体的には、年金やほかの収入源と合わせた生活費や、目指す不労所得の金額を算出してみましょう。事前の準備により、セミナーで提供される投資戦略や物件選択の情報を、自身の目標に合わせて有効に活用できます。

質問や相談する内容を決めておく

セミナーでは専門家から直接的なアドバイスを得る機会があるため、疑問や計画に関するフィードバックを受けることが可能です。

たとえば、新築と中古物件の選択基準や税金対策、または賃貸運営の際の注意点など、自身の投資計画に関連する質問を事前にリストアップしておいてください。また、セミナー終了後には、講師との個別面談の機会が設けられている場合もあり、このような時間を利用してさらに深い学びを得ることが可能です。

不動産投資セミナーを選ぶ際の5つのポイント

最後に、不動産投資セミナーを選ぶ際のポイントについて解説します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.少人数のセミナーか

少人数でのセミナーは双方向のコミュニケーションが可能であるため、より理解を深めやすくなります。特に、はじめての不動産投資の場合は、具体的な疑問や不安を解消できるかがセミナー選びにおいて重要です。

少人数のセミナーでは、気軽に質問をしやすく、講師からの直接的なアドバイスを得る機会が増えるため、不動産投資の理解を深めるのに適しています。

2.セミナーの内容が自身の知識レベルに合っているか

不動産投資セミナーを選ぶ際は、セミナーの内容が自身の知識レベルに合っているかどうかが重要なポイントです。たとえば、知識レベルごとに選ぶべきセミナーの内容としては以下の表を参考にしてみてください。

知識レベル内容具体例
初心者不動産投資の基礎知識・不動産投資の種類・不動産投資のメリット、デメリット・不動産投資市場の現状・不動産投資におけるリスクマネジメント
中級者実践的なノウハウ・物件選びのポイント・物件ごとのターゲット戦略・キャッシュフローを最適化する方法
上級者リターン最大化の方法・詳細な不動産市場の分析方法・不動産投資信託や不動産証券化商品について・事業用不動産の投資方法・海外展開する場合の方法

3.テーマが具体的か

セミナーのテーマが不明確な場合は、何を学べるのかが不透明であり、効果的な予習が困難であるため、参加しても十分な知識や情報の習得が難しくなります。

たとえば、都心の区分マンション投資に関する情報を得たいのに、参加したセミナーのテーマが地方の一棟アパート投資に関するものだった場合、求める情報は得られません。

したがって、自身の投資目的や関心のある分野に直接関連するテーマのセミナーを選択することが、セミナーの効果を高めます。

ただし、自分の目指す投資スタイルとちょっと違うからといって、まったく参考にならないわけではありません。自分にとってはあまり魅力を感じない物件でも特定の目的を盛っている方にとってはすごく価値のある物件のこともあります。臨機応変な対応力を身につけるには、他の人の視点を学ぶことは大切です。

4.投資目的に合っているか

セミナーの参加者によって投資の目的は異なるため、それぞれに応じた投資方法の選択が必要です。たとえば「毎月の副収入を得るために賃貸経営を実施するか」や「不動産価格の上昇を狙って売却益を目指すか」など、目的に応じた戦略が求められます。

多くの不動産投資セミナーではテーマが明確に設定されており、事前に内容が確認できます。投資目的に合ったセミナーを選択し、より具体的かつ実践的な知識を得るようにしてみてください。

5.主催会社の実績が豊富か

不動産投資セミナーを選ぶ際に、主催会社の実績は重要な要素です。特に、賃貸管理業を営む会社が主催するセミナーに関しては、事前にその会社の平均入居率を確認しておきましょう。賃貸管理業での高い入居率は、信頼性の大きな指標の1つです。

たとえば、入居率に関する情報を提供する会社の平均入居率が50%程度であれば、セミナーの信頼性に疑念が生じます。逆に入居率が高く、効果的な戦略や問題解決の実績がある会社のセミナーは非常に有益です。

実績が豊富な会社が主催するセミナーに参加することで、不動産投資に直接活かせる貴重な知識を得られます。

関連記事