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2024年8月16日

【年金相続ch 06】節税にも使える配偶者居住権とは?

配偶者居住権とは?高齢配偶者を守る新しい相続制度を徹底解説

こんにちわ、TSON年金・相続チャンネルです!
今回は、2020年の民法改正で導入された「配偶者居住権」について動画で詳しく解説します。この権利は、高齢の配偶者が夫の死後も安心して住み慣れた家に住み続けるための重要な制度です。この記事では、具体的な事例や条件、注意点をわかりやすくお伝えします。


1. 配偶者居住権とは?

配偶者居住権は、夫が亡くなった後、妻が無償で住み慣れた自宅に住み続けられる権利です。この権利があることで、高齢の配偶者が自宅を手放すことなく安心して生活を続けることが可能になります。

特徴としては以下の通りです:

  • 無料で住める
  • 終身または一定期間の設定が可能
  • 遺産分割協議や遺言書、死因贈与で取得できる

2. 具体的な事例

ケース:夫Aが亡くなった後の相続

  • 被相続人:夫A(自宅3,000万円、預金2,000万円を所有)
  • 相続人:妻B、子C(前妻Dとの子)

このケースでは、妻Bと子Cの関係が悪いため、遺産分割がスムーズに進みません。法定相続分では妻Bが50%、子Cが50%ですが、現金と不動産を半分ずつ分ける場合、自宅を売却し現金化する必要があります。その結果、妻Bは住み慣れた自宅を出て行かざるを得なくなる可能性があります。


3. 配偶者居住権の導入でどう変わる?

自宅を「居住する権利」と「所有権」に分けることで、妻Bが住み続ける道が確保されます。具体的には:

  • 配偶者居住権(妻B):1,800万円
  • 所有権(子C):1,200万円

さらに預金を分けることで、法定相続割合(50%ずつ)に基づいた分配が可能になります。


4. 配偶者居住権を得るための条件

配偶者居住権には、以下の条件を満たす必要があります:

  1. 旦那さん単独、または夫婦のみで所有する不動産であること
    子どもなど他者と共有している場合や賃貸物件では設定できません。
  2. 配偶者がその自宅に住んでいること
    別居中の場合は認められません。
  3. 登記が必要
    居住権と所有権の両方を登記する必要があります。

5. 配偶者居住権消滅後の扱い

  • 妻が亡くなった場合
    配偶者居住権は消滅し、所有権者(子C)は不動産に対する完全な権利を得ます。配偶者居住権消滅に伴う相続税は発生しません。
  • 引っ越した場合
    配偶者居住権者(妻B)が老人ホームに入居するなどで家を離れた場合、居住権は消滅します。この際、所有権者(子C)に贈与税が課される可能性があります。

6. 配偶者居住権のメリットと注意点

メリット

  1. 配偶者が住む場所に困らない。
  2. 自宅を売却せずに法定相続割合で分割が可能。
  3. 所有権者の権利も守られる。

注意点

  1. 登記が必須:登記を怠ると権利が保護されない。
  2. 賃貸物件では利用不可:夫婦所有の不動産に限られる。
  3. 引っ越しのリスク:居住権消滅時には税務上の問題が発生することがある。

7. よく似ているが違う「配偶者短期居住権」

配偶者短期居住権は、相続が確定するまでの間、配偶者が引き続き住むことを保証する権利です。この権利は以下の特徴があります:

  • 自動的に発生:登記不要。
  • 期間限定:相続開始から6か月または遺産分割が確定するまで。

配偶者短期居住権は、緊急対応的な性質を持ちます。


8. まとめ

配偶者居住権は、高齢者の配偶者が安心して住み続けられるための新しい権利です。特に、複雑な家族関係や相続争いが想定される場合に有効な手段です。やり方によっては節税にも繋がります。以下の点を押さえておきましょう:

  • 要件:夫婦以外の共有者がいないこと、配偶者が住んでいること、登記していること。
  • 注意点:引っ越しや登記の欠落による権利喪失に注意すること。
  • 短期居住権の活用:相続確定までの住居確保のために利用する。

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